コラム
免疫力をアップさせる食事ってあるの？
免疫力をアップさせる食事ってあるの？
コロナ禍の今、免疫力ってよく話題になりますよね。今回はこの情勢を鑑み『免疫』についてお伝えしたいと思います。
身体の免疫のほとんどを担っているのは、身体のどこ部位だと思いますか？ よくTVでも言われているのでご存知な方も多いですよね。実は『腸』なんです。
腸は免疫機能の7割を担っているとも言われています。通常感染源となるウィルスや病原菌は口や鼻から体内に侵入、胃酸の強力な殺菌作用によってほとんどが死滅しますが、それでも死なない菌は腸壁から取り込まれ、身体の免疫細胞たちが退治してくれるメカニズムになっています。ここで言うところの腸とは『小腸』を指し、小腸は栄養を吸収する上でとても大事な役割を担っていますが、免疫能（腸管免疫）が病原菌から身体を守ってくれるという働きもあるわけです。
では、腸を元気にする食事とは一体どういうものになるのでしょう？ 実は特別なことは何もする必要はないのです。糖尿病の食事療法と同様『バランス良く、いろいろな食品を食べる』ことで腸管免疫はアップするのです。ところでムーミンに出てくるニョロニョロって分かりますか？小腸の内側には腸絨毛という組織が存在していて、まさにニョロニョロみたいになっています（ニョロニョロみたいに手はないですが）。このニョロニョロの長さが長ければ長いほど、免疫能がアップすると言われているのです。
この長さを長くするにはいろいろな食材を食べることで長くなる、逆を言えば同じような食材や、インスタント食品・レトルト食品等を継続的に食べていることで長さが短めになり、免疫能も落ちる可能性があるということです。免疫がアップする食材として他にも、ヨーグルト、チーズ、納豆などの発酵食品、きのこ類に含まれるβ（ベータ）グルカン、海藻のぬめり成分であるフコイダンに免疫を高める作用があります。きのこ類や海藻には血糖を上げにくい食材としても有効です。他にも免疫細胞を傷つける活性酸素を抑える抗酸化作用の高い食べ物として、緑黄色野菜、バナナ、にんにく、しょうが等もお勧めです。
また腸内細菌を元気にすることでも、腸の免疫UPに繋がります。腸内細菌の理想のバランスは 善玉菌：日和見菌：悪玉菌＝2：7：1です。この日和見菌とは善玉でも悪玉でもなくどっちつかずの菌ですが、力関係の優位な方の働きを助ける菌なので、腸の善玉菌を元気にしておく方が良いです。代表的な善玉菌は『ビフィズス菌』と『乳酸菌』です。手軽に摂るならヨーグルトです。
参考になりましたか？ でも、いくら食事に気を使っていても、ストレスが多い、不眠、運動する時間も無いようでは、トータルでは免疫低下になってしまうかもしれません。心と体が健康であってはじめて、栄養の効果がでると考えてくださいね。
遠山病院 管理栄養士 飯田恵利
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