コラム

マイクロRNAによる次世代がん検診を知っていますか?

マイクロRNAによる次世代がん検診を知っていますか?

マイクロRNAによる次世代がん検診を知っていますか?

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日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。しかしながら、医学の進歩により、がんは現在、約6割の方が“治る”ようになりました。とくに初期の段階で発見し、適切な治療を行うことができれば、高い確率で治癒します。このため、がんを初期の段階でみつける「がん検診」は、がんの死亡率を下げるのに非常に有効だと考えられています。

Q. がん検診には、どのようなものがありますか?

胃がん検診        胃部X線検査または胃内視鏡検査
大腸がん検診     便潜血検査(免疫法)
肺がん検診        胸部X線検査および喀痰細胞診
乳がん検診        マンモグラフィー
子宮頸がん検診   子宮頸部の細胞診および内診

これらは、全て国が推奨するがん検診であり、よく知られたものです。しかしながら、実際に内視鏡を行ったり、組織の細胞を取るとなると、皆さん、躊躇してしまいますよね。

Q. 医学が進歩してきている時代です。もう少し、簡便で精度の高い次世代がん検診はないのでしょうか?

非侵襲的なスクリーニング法として、古くから血液中の腫瘍マーカーなどが知られています。腫瘍マーカーは、がん細胞が死滅して偶然に血液中に出てくるたんぱく質や糖の断片を調べる方法です。がんになると、正常細胞では作らない珍しいたんぱく質や糖を作ることがあります。これはがんの大きさを反映していると考えられていることから、治療効果のモニタリングに使われており、消化器がんではCEA、すい臓がんのCA19-9、卵巣がんのCA125などがあります。これらが低下していればがんが小さくなっている、上昇してくれば大きくなっていると判断しますが、健康な人からがんを発見するような、精度の高いバイオマーカー*にはなりえていません。

*バイオマーカーとは、血液、尿などの体液や組織に含まれるたんぱく質、遺伝子など体内の物質を調べることで、病気の変化や治療に対する反応をみる客観的な指標です。がんの治療薬の選択をはじめ、がんの可能性や転移の有無を知る目安としても使われています。

Q. 次世代がん検診のターゲットであるマイクロRNAについて教えてください。

マイクロRNAとは、メッセンジャーRNAを標的として作用し、おもにタンパクの翻訳を制御する物質です。2002年に線虫ではじめて報告されて以来、その機能に着目された研究が世界中で進んできました。とくにマイクロRNAは体液中に存在して、極めて安定した状態で体内を循環することから、手軽に検査可能なバイオマーカーとして期待されてきました。

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マイクロRNAは、「エクソソーム」というカプセルに入った状態で運ばれます。エクソソームは、ほとんどの細胞から分泌されているもので、それぞれの細胞に特徴的なマイクロRNAを含んでいます。がんが初期の段階でも分泌されるので、これを調べれば、早期のがんを見つけることができるというわけです。

2013年には三重大学消化管外科から単一のマイクロRNA21が大腸がんの早期診断マーカーとして有用であることを世界に先駆けて証明し(J Natl Cancer Inst 2013)、全国的なニュースでも取り上げられています。

エクソソームで放出されるマイクロRNAは体液中に存在し、極めて安定した状態で体内を循環することから、血液、便、尿を試料とした手軽に検査可能なバイオマーカーとして開発が進んでいます。

New 尿だけで最大7種のがんを判定(マイクロRNAで調べる次世代がん検査マイシグナル®) 料金 60,500円(税込)


遠山病院では、2024年4月より、少しの尿だけで最大7種のがん罹患リスクを判定する次世代がん検査マイシグナル®を採用しました。マイシグナル®は全国約20の大学病院・がん研究センターとの共同研究で実現した、尿を用いた高精度ながんスクリーニング検査です。既存の検査では腫瘍の大きさやステージが進行してからでないと検知困難でしたが、尿を用いたマイクロRNA検査は、感度が90%以上(腫瘍マーカーは50%程度)と非常に高い精度の報告もあります。本検査は保険外診療になりますので、「高・中リスク」と判定された方は、当院の外来窓口で対応可能な診療科を紹介させて頂きます。


マイシグナル詳細について

遠山病院健診センター

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